古物商許可申請

ネット利用者で古物商許可が必要なケースが増えています。警察署へ提出する煩雑な許可申請について、こっそりやり方や注意点を教えます。

刑事ドラマなどで窃盗や強盗された物品が意外に早く見つかることを不思議に思ったことはありませんか?一時間ドラマだからではなく、ちゃんと許可を受けた業者が記録を保存しているので比較的早く見つけることが可能なんですね。

古物とは、一度使われた中古だけでなく、買ったり譲られたりして一度も使われていないものを含みます。古本、古着、骨董品、中古の家具・電化製品、中古車、中古のCD・DVDなどに加え、未使用のコンサートチケットや金券類などがあります。

古物を扱う営業全体をを古物営業と呼び、古物営業には古物商、古物市場主、古物競り斡旋業者の3つの営業形態に分けられます。古物商とは、古物を自ら又は他人の委託を受けて売買又は交換する営業で、インターネットを利用した取引も含まれます。古物市場主とは、古物商間の古物の売買又は交換のための市場を経営する営業。古物競りあっせん業は、インターネットオークションが行われるシステムを提供し、その対価として出品者・入札者から出品手数料や落札手数料などを徴収する業者です。 以下は古物営業許可申請について記載します。


古物営業の関連法令
古物営業法、古物営業法規則、古物営業法施行令
古物営業法の趣旨・目的
盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、その被害の迅速な回復に資することを目的とする。
申請先
警察署の生活安全課を窓口にして、営業本拠地を管轄する都道府県公安委員会へ申請します。
大まかな手続き
①営業本拠地を管轄する警察署の生活安全課に事前相談
②申請書類作成
③申請書類の提出
人的要件
欠格事項があり、誓約書(申請者、および営業所の管理者、法人の場合は役員)を提出します。
申請書類

・古物商許可申請書
・住民票の写し(役員・管理者全員分)
・身分証明書(役員・管理者全員分)
➡本籍地の市区町村の戸籍課で取得(運転免許証等ではありません)

・登録されていないことの証明書(役員・管理者全員分)
➡東京法務局後見登録課、全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課窓口で申請が必要でしたが、令和1年12月から不要になりました。

・略歴書(役員・管理者全員分)

➡最近5年間分をカバーする内容

 

・誓約書(役員・管理者全員分)
・定款の写し(法人の場合)
・法人登記事項証明書(法人の場合)
・営業所(事務所・店舗)の賃貸借契約書や使用承諾書等

➡個人所有の不動産ならば不動産登記簿。加えて、地図(Google Mapの貼り付けでOK)、見取り図、写真などを求めらる場合があります。


・URLの使用権限を疎明する資料(ホームページを利用した取引をする場合)

標準処理期間
40日程度
申請手数料
古物商営業許可 ¥19,000
その他

・営業上の義務(標識の掲示、営業所ごとに管理者を設置、古物の売主の身元確認、取引の記録「帳簿」、不正品の疑いがある場合の申告義務、立入検査の協力義務など)

➡立入検査でチェックされる第一は、取引の記録です。(紙の記録ではなくパソコンの中のデータでも構いませんが、データを消去してしまわないように注意が必要です)

・商号変更、営業所の移転・廃止、代表者・役員・管理者の変更または各人の住居変更などが発生した場合、届出事由発生日から14日以内(法人登記事項証明書が必要場合は20日以内)に変更を届出なければなりません。

➡これを失念してしまう方がかなり多いです。期日を過ぎてから提出する際は、理由書を付けて、真面目な顔をして「ごめんなさい」と謝るしかありません。

・ネットショップなど非対面による古物買い取りの真偽確認措置
・上記義務違反によって、許可を取消されると5年間は古物営業ができなくなりますので、注意してください。
・2018年4月17日改正により、①仮設店舗での営業(届出必要)、②簡易取消制度の新設、③欠格事項の追加、④都道府県ごとの許可が全国共通許可への変更(施行は2020年)




おまけ

取引の記録「帳簿」(古物営業法施行規則第17条、別記様式第15号)を下記のようにExcelシートを作りましたので、無料でご提供致します。メールでお問い合わせください。